血の雫








「それにさ、木之上に言われたんだ。
能力を使っていたとしても、教えてくれたことは能力なのかって」

「アキナが……?」




ドロップが驚いたようにあたしを見る。

確かに言ったけど、本人の目の前で言われると恥ずかしいな…。





「俺、お前に勉強を教わったあの時間は嘘じゃねぇって思っているぜ?
俺だけじゃない。
お前と関わった人間全員が思っているはずだぜ?」




橋本くんの言葉に、クラスメイトが頷いた。




「…怖い、とか思わないの?」

「確かにこの間は思ったけどよ。
それだけでお前を嫌うほど、俺は酷い人間じゃねーよ?」

「……僕、ここにいても良いの?」

「当たり前だろ!
ドロップを含めて、俺らのクラスだぜ!」




橋本くんが大きな拍手をする。

それに倣い、クラスメイトも拍手をした。

あたしも一緒に拍手を送った。





「……ッありがとう………」




拍手を送られたドロップは、凄く無邪気な笑顔を浮かべた。




人間って言うのは、単純かもしれない。

簡単に人を裏切るし、人を利用する。

だけど、全員がそうってわけじゃない。

中にはそういう人もいるかもしれないけど。

中には橋本くんみたいに分け隔てなく誰にでも優しく接せられる人だっているんだ。




ドロップがこの教室の、大事な仲間だから。

そう、あたしを含めた皆が認めたから。

あたしは世の中捨てたものじゃないと、改めて考えることが出来たのだ。





あたしたちの大事な仲間は吸血鬼だ。

その吸血鬼があたしたちに教えてくれたことを、

あたしはいつまでも、忘れないだろう―――…。







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