ナミダの先はキミと。翔side編
彼女の行きそうなところって、どこだ?



公園?


神社?


もう家帰ったのかな?



…家、場所わかんねぇし。



俺は彼女のこと何も知らないんだ。



俺のせいなのに。



きっと泣いてる。



早く見つけないと…。



だから足は止まらなかった。



だいぶ探したけど彼女は見つからなくて、さっきの公園の近くに戻ってきた。



後ろから足音が聞こえたからもしかしてと思って振り返った。



そこにはさっきの男の子と、彼女の姿があった。




「あ!いた!」




俺はとっさに大声をあげてそう言った。



走って2人のそばまで行った。




「連れてきてくれたのか!さんきゅーな、ボーズ!」




しゃがんで男の子の髪をワシャワシャと撫でて、気ぃつけて帰れよと見送った。




「…つーかひよさぁ、勝手にいなくなんなよな。すげー探したんだぞ。」




しゃがんだままの姿勢で目も合わせられずに言った。



彼女の顔を見たら涙が出そうだったから。




「ご、ごめ…




「ぜってー泣いてると思ったから!心配した。俺のせいだけど…。」




「うん。」




「ごめんね?」




「私もっ…ごめんなさい…。でもありがと。」




彼女が向かいにしゃがんで俺の手をその小さな手で包み込んだ。



彼女の目にはキラリと光るものが見えた。





俺のしたことはムダじゃなかった?



少しでも近づけた?



だったらいいな。



次は俺が頑張る番かな。

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