妖精的な彼氏
「あっ、あの、大丈夫ですかっ?」

返事をしない私を不審に思ったのか、宮城タケルは聞いてきた。

「だっ、大丈夫でっ・・・・・・///」

咬んじゃった―――っ!

アタシは自分でも顔が真っ赤になって行くのがわかった。

あーあー、とテンパって言葉とも取れない声を発していると不意にくすり、と笑われた。

「あははっ、面白いねっ!」

宮城タケルはそう言って笑った。

それは――、アタシが今まで聞いてたような蔑む様な笑い方じゃなくて、すごくすごく純粋で綺麗な笑い方だった。

その時、ドキンッ、と胸の奥で何かが弾けたんだ。

なんだろう・・・・・・?

「えっと、君の名前は?」

・・・・・・ふつー自分から名乗るのが礼儀でしょうがっ。

アタシが思っていると、顔に出てしまっていたのか宮城タケルは慌てた様に付け足した。

「あっ、ごめんねっ!普通自分から名乗るよねっ!」

・・・・・・あんたの名前はもう知ってるけどね。

「えへへ、改めて。僕、宮城タケルって言います。君は・・・・・・?」

そう言って私を上目遣いで見てきた。

かっ、可愛いっ・・・・・・!

この時、みんながタケルの事を可愛い可愛い言ってる理由がやっとわかった。

てか、今更だけど顔近いっ!

「あ・・・・・・っ、梓川なづなって言いますっ!」

アタシはつい敬語になっていた。

・・・・・・なんでだろ?

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