たとえどんなに。

居場所

私は自転車に乗り高架下を目指した。

私の一人になれる場所。

人通りは少ないものの、

多少人は通る。

目の前を通った仲良く笑いあうカップル。

私を見て笑う彼女さん。

つられて私を見る彼氏さん。

そんな私、イタイ子?

私はうつむく。

二人の通り過ぎた直後。

頭上から声がした。

「大丈夫?

 あなた、泣いてるの?」

「えっ・・・」

顔を上げると見覚えのある顔。

「堀北さん・・・?」

「もしかして、亜夢ちゃん?」

「うん。」

堀北 梢。

私の前の塾の友達。

はっきりとものが言えて、しっかり者。


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