【完】好きになれよ、俺のこと。
「ど、どう、かな……?」
緊張はまだまだ続いてる。
だって、安堂くんのお口に合わなかったらどうしよう!
しばらく味わうように口を動かしていた安堂くんが、目を開いた。
「ん……うまい……。
うまい、これ……」
「ほ、ほんと!? 良かったぁ〜!」
ほっと息をつき、胸を撫で下ろす。
「食べてくれて、ありがとう!」
そう言いかけて、私は思わず言葉をのみこんだ。
……だって、安堂くんがあまりにも切ない微笑みを浮かべていたから。