君はあたしの天然王子
―ガサガサガサッ
「ひょろろー!!!」
尚陽くんが、訳の分からない悲鳴を上げる。
あたしは黙って息を殺した。
この状況ってまさか…
またも「ガサガサッ」と音を立てた。
それと同時に、ニョロニョロとしたボディが現れた。
「……い、
いやぁああああ!!!!!」
「マムシだぁあああ!!!」
その叫び声と同時に、あたしたちは全速力で走り出していた。
「あたしニョロニョロした生き物ダメなのー!!」
「俺は普通に爬虫類ダメなのー!!」
「何よ尚陽くん!男でしょ!?」
「男でも怖いもんは怖いってー!!」
あたしと尚陽くんの声が山にコダマする…。