イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
冷蔵庫の食材の賞味期限を確認しながら、料理をシュミレーションし、いろいろ下ごしらえをすると、右京さんの部下らしき人が私の飯の友を持ってきてくれた。

時計を見ればもう午後九時。

「お腹空いたし、今日はこの辺で終わりにしてご飯食べよう」

適当に食器棚をあさって一人黙々とご飯を食べる。

広いキッチンに、無駄に広いダイニングテーブル。

一人暮らしにすごく憧れていたけど、広い家で一人で食べるのってなんだか寂しい。

一人だけの食事は五分で終わった。

いつもならお父さんやお母さんの料理のコメントがもらえるんだけどな。

食器を片付けてお風呂を沸かそうと廊下に出ると、玄関の紙袋が視界に映る。

あっ、そういえば開けるの忘れてた‼

玄関に戻って紙袋の中を見てみると、そこにあったのは一ヶ月分はありそうなイギリスの高級ブランドのバスボム。

昔、友達の出産のお祝い返しでもらった事があるんだけど、うちは両親と一緒のお風呂だから泣く泣く一人暮らしの友達に譲った。

一個千円位はするし、自分でお金出しては買えない。

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