赤黒いバラ
…。

何と言えば良いんだろう…。

普通の家庭です?

そうでもない。

「どうかした?」

先生は考え事をしてる私に心配そうに聞いてきた。

「いえ。なんでも。家庭ですか?普通ですかね。父は厳しい人です。怒ると怖くて、でも優しい人です。母とはよくしゃべります。仲良いですよ。」

私は少し照れ臭そうに話すようにしてみた。

この答えは本当。だけど、付け足すものが多い。

話終わると、小鳥遊先生は真面目な顔で私の顔を見ていた。

その時不意に胸が高鳴った。

「そう。まあ、なんかあったら先生にでもいいし、相談してきなよ?そろそろ終わろっか。もう5時だよ。ほとんど他愛もない話だけだったけど。」

先生は笑ってじゃあ明日。と付け加えた。
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