赤黒いバラ
職員室に行くと仲上先生はちゃんといた。

物理を教えて欲しいと伝えると、しょうがないな。

と言った。

「で、こうなるの。」

んー。さっぱり理解不能。

やっぱり、小鳥遊先生じゃないと…。

なんて心で思った。

「仲ちゃん分かんないです。どうして、ここがこうなってこの答えに導かれるんですか。意味がわかりません。」

そう言うと、仲上先生は大きなため息をついた。

「俺だってさ…物理分かんないよ。専攻とか生物だしさ。初めてなんだよ?物理教えるの。」

と、いきなり弱音を吐き出した。

理科の先生にも専攻なんてあるんだ。

そう思いながら、仲上先生に同情した。

「そうなんですか。仲ちゃんも大変なんだね。とりあえず今日はここまでです。ありがとうございました。明日もまた来ちゃうから。楽しみにしといて。」

そう言うと、仲上先生は二度と来るな。と言ってきた。

そうして私は職員室をでた。
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