杏ちゃん、結婚しよ
タクは、確かに
あたしの手を触れた
「ほら。杏に触れるんだ」
「ほんとだ」
「俺のところに連れていって」
タクの病室
そこには、あたしを含めば3人
一人が二人になってるから、3人
「ひどい怪我だな…俺」
「そうだよ」
「やっぱりどうやっても、戻れそうにないんだ」
「また、生き霊のまま?」
「かもね」
「じゃあ、こっちのタクに自慢する」
彼の右手をとった
痛々しい傷がある右手
「タク、あたしプロポーズしたよ」