―ある日―
随分ゆっくりだなぁ…。
圭さんと竜彦さん、何話てるんだろう……。

「お待たせ」
「圭さん!」

そんな事、考えてたら圭さんが入って来た。

「ん?」
「あっ、長かったですね、お話」
「ん、まぁ、いろいろとね。悪りぃ」
「えっ?いえッ!!」

頭をふる。
謝るような事じゃぁ…。

「準備、出来た?」

あっ……

「はい」

しっかり、圭さんの目を見据える。

「ん」
うなずく。

倉庫の扉を竜彦さんと伊藤さんが開く。

「………」
その重たく錆びた音が、倉庫の中に反響して鈍く聞こえる…。


ついに……出発だ。
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