「カラス」


         月日は過ぎて、彼の子供が立派に育つ。
            するとみんか飛び立って、
            後に残るのは空っぽの巣。
           どこか寂しくて、切なかった。




          「みんな、巣立っちゃったんだ...」




            隣で君が悲しそうに笑う。
             そんな顔しないで、
          どうしたらいいかわからないよ。


           君にそんな顔してほしくない。


             もし、できるのなら

               あの光景を、
             もう一度見たい・・・。






              季節が巡る。

      ふと巣に目を向けると、寂しげな巣に一羽のカラス。


          「また、この季節がやってきたね」


             君が嬉しそうに笑う。
           それにつられて、私も笑う。


           君には悲しい顔じゃなくて
            笑顔が一番似合ってる。


             その笑顔を守りたい。

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