君のいいところ、1つしか思いつかない。






「っ…う…」




ポロっと頬を伝った雫を手の甲で拭う。



授業中の静かな廊下。

窓から見える青空。


時折遠くから聞こえる笑い声。





「バカ…」




だから関わりたくなかったんだよ。
あんな適当な人。



だから嫌いだったんだよ。
顔だけしか良いところがないくせに…。



良いところなんか、1つしかないくせに…。





女慣れしてるから、どうやったら女の子が喜ぶのか分かってるから。



だから晴にドキドキしたのだって、あたしの気まぐれだ。






< 159 / 296 >

この作品をシェア

pagetop