君のいいところ、1つしか思いつかない。




通り道を塞がれたわけでも、動けないようにどこかを掴まれたわけでもなくて、ただ視線を向けられてるだけなのに…。


なんで、逃げられないんだろう。



絡まった視線を、逸らしたいようで逸らしたくなくて。

ううん、何よりも逸らせなくて。


綺麗で吸い込まれるような瞳に、あたしの思考回路が奪われたみたいに。







「紗月ちゃんってさ、俺に興味ないでしょ?
だから逆に目立つんだよね、俺に寄ってくる女と同じくらい派手なタイプなのに全然こっち見ないと」







たしかにそうかもしれない。

結城くんを囲んでる女の子たちは派手な子ばかりで、あたしも一応派手な子に入っているわけで。



みんなが結城くんに話しかけに行く中、1人残っているのは逆に目立つんだろう。







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