君のいいところ、1つしか思いつかない。
「紗月、帰る?」
「図書室で勉強してくる…」
「そか、頑張れ」
はーちゃんに応援されて、図書室へ向かう。
家でやると、絶対心が折れる。
遠くの席からでも、篠宮くんを見ながら勉強できたら頑張れる気がする。
ガラッとドアを開けると、いつも通りの光景…。
でも、篠宮くんだけがいなかった。
まだ来てないのかな?
時計を見ると、いつも私が来るのよりも10分早いことに気が付いた。
そして、机に向かって数学の教科書を取り出した。