君のいいところ、1つしか思いつかない。






「そういえば食堂の新メニュー食べた?
三色丼が五色丼になったんだよ」

「へえ、食べてない」


「美味しかったけど、あたしは三色の方が好きだなー」





どうしてこんなにどうでもいい話しかできないんだろう。


だけど、そんな話すら聞いてくれるのが嬉しい。


前だったらきっと、うるさいって言われるだけだった。


少しは近付けたって、思っていいのかな。






並んだ影に、頬が緩んだ。






< 94 / 296 >

この作品をシェア

pagetop