【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



「……岬」



彼の背中にそっと腕を回せば、彼の肩が一瞬跳ねる。でも、「ふっ」と彼が笑ったのがわかって。



「お前のそういうとこ可愛くて好きだわ」



「っ、」



「いま顔赤いだろ?

羽歌は、あんまり経験ねぇからすぐに赤くなる」



「っ、もう、なんなのよ」



見透かされてるみたいで、なんか嫌だ。なのに居心地は良いんだから謎。




「絶対、守ってやるから」



「っ──」



「だから、安心してそばにいろ」



そんな言葉じゃ、安心なんて出来ない。意地っ張りだった私は一体どこへ行ったのか。──素直に頷くことしかできない。



「ん。じゃ、帰るか」



そう言った彼の言葉でゆっくり離れる。離れたらすぐに、手を繋がれて。



別に、これも悪くないかな。なんて。──そばにいられるわけも、なかったのに。



< 129 / 368 >

この作品をシェア

pagetop