雨木ちゃんにしては失意な恋
「どうかな。その時にならないとわからないけど、たぶん、後悔しないんじゃないか」
「…後悔しないなら、私はあなたに殺される必要はないです。
私は、私を殺して激しく後悔する人に殺してほしいんです」
えつこは席を立とうとする。
「それでまたあの自殺サイトで殺してくださいって、頼むの?」
「ええ」
「あんなサイトで殺してくれって頼んだところで、人を殺したいやつばかりなんだからさ、後悔する奴なんて一人もいないと思うけど?」
えつこは少し考えて、それから椅子に座り直した。