雨木ちゃんにしては失意な恋

草野はえつこと同じく、大学ではバカにされ続け、自分が長い歳月を費やした研究成果を教授や生徒に横取りされ、大学全体がグルになっているため告発など何の意味もなく、嫌気がさしていた。そのせいで度々リストカットをするようになっていた。

自殺サイトを見ているうちに自分と同じくらいの歳のえつこが死にたいと言っているため、気になって呼び出したのだ。

「だからねー、首絞めそこねたのも、
わざとなんだよねー。本当はあれの倍以上の力出る」

しかし死にたい気持ちがなくなったえつこにとってはそんなのもはやどうでもよいことだった。
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