私の横に居る人
さらに畳みかけるように話しかけてくる麻帆。

結構鋭い。

「麻帆、夏に健先輩と響子先輩の事があったでしょ?あれからいろいろ考えたら…。」

私はこっそりと麻帆の耳元で話した。

「私、多分智樹先輩の事、気になってるんだと思うの。でもこの気持ちがどういうものなのか、まだ分からなくて…。」

「どういう事?」

麻帆は、何を今更って感じの顔をしている。

「いつもそばに居てもらうのが当たり前になってしまって…。この関係を崩したくないって思うのはずっと変わらないんだけど…。それ以上の関係を望んでいるのか自分では分からないの。」

麻帆は目を丸くして溜息。

「やっぱり悠は難しく考えすぎよ。」

「えっ?」

「その時が来たら、健先輩や響子先輩のように自分の気持ちを相手に伝えたくなるものなの。私の場合は寛人から伝えられたけど、私が告白するか迷っていたのは、悠も知ってるよね。だから無理しないで、その時を待とうよ。」
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