私の横に居る人
私が長いシャワーを浴びていた時かな。全く知らなかった。

「だからあなた達がどんな顔をして帰ってくるか、お父さんと楽しみにしていたの。二人とも良い顔していたわ。あ~、お父さんと知り合った頃を思い出すわ。」

別の意味で興奮しているお母さん。

いつまでも若くてかわいい人。

そんなお母さんのそばにいつもいるお父さん。

今まではそんなに思わなかったけど、理想の夫婦かも。

ん…?今お母さん、何て言った?

「智樹、結婚って言ったの?」

今更ながらの私の反応に、お母さんは笑った。

「やっと思いが通じたばっかりで、そんな事まで考えてなかったよ。智樹もそんな事、私には言わなかったし…。」

私はびっくりしながら、そっと居間の方を見た。
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