私の横に居る人
智樹は食品会社の研究開発部へ就職が決まった。

そこの本社はこの町から出なければ通えなかった。

本当に二人で納得いくまで話し合った。

一番したい仕事に就ける事になった智樹を応援したかったから。

次の年、私も智樹の住んでいる町で就職しようと思った時期もあったけど、地元の図書館で司書として私を必要としてくれたので、家から出ずに就職した。

「悠。」

息を切らしながら、走ってくる智樹。

大学時代はいつも一緒に居て、それが当たり前だった。

でも今はたまに会うとドキドキする。

また恋愛をやり直しているみたいだ。

「智樹、久しぶり。」

健先輩と響子先輩が笑いかける。

「ごめん、健。ちょっと待って。」

智樹ははあはあ言いながら、私の方を見るとふんわりと私を抱きしめた。

「ただいま、ちょっと充電。」
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