私の横に居る人
智樹と二人きりになった途端、麻帆や健先輩を始め旅行研究会の面々が入って来た。

「おめでとう。今なら控室で二人に会えるってご両親に聞いたから、ずうずうしいかと思ったけど来ちゃった。」

そうおどけて言いながら、麻帆が私にハグする。

「きれいだよ。結婚は私の方が早かったけど、赤ちゃんは先越されちゃったな。」

そう言いながら、麻帆は笑う。

「麻帆、ちゃんと悠ちゃんに報告して。」

寛人先輩が、麻帆の隣に並ぶ。

「先週、病院に行ったら妊娠していたの。悠の赤ちゃんと同級生になるわ。」

「うわ~、麻帆こそおめでとう。」

お互い仕事が忙しくて、ラインぐらいしか連絡を取っていなかった。

「直接悠には伝えたくて。」

照れくさそうに麻帆は微笑んだ。

「出産もだけど、産まれてからはもっと大変よ。」

健先輩が抱く可愛い女の子を見ながら、響子先輩が口を挟んできた。
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