私の横に居る人
お父さんも笑いながら答える。

顔を赤くして戸惑っている斉藤先輩が気の毒だよ。

「お父さんもお母さんも、冗談にしたって失礼よ!!」

私は、二人を睨みつけた。

その後は楽しく鍋を囲んで、お開きとなった。

玄関先で丁寧なお礼を言った斉藤先輩を、私は外まで送って行った。

「中で良かったのに。まだ4月の夜は寒いよ。」

斉藤先輩は、微笑んでくれた。

「いえ、バイトの件でお礼を言いたくて。本当にありがとうございました。」

このお礼も言いたかったけれど、実はそれよりも謝りたかった。

「それと父と母が失礼しました。先輩を困らせてしまってすいませんでした。」

私は思いきり頭を下げる。

「ん?ああ、あの事かな?俺は全然構わないよ。ちょっとびっくりしたけど。」

照れくさそうに笑う斉藤先輩。
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