私の横に居る人
「あっと…、圧倒されてます。いきなり知り合いが増えて。私は、人付き合いが下手なので、大丈夫かなって。」

私は思い切って智樹先輩に言ってみた。

「別にそんなに身構える事はないよ。普通にしてればいいんだよ。俺も1年前はそんな事考えたよ。初めての人ばかりで、口下手だから誤解を与えないかとかね。もしかしたら、俺と悠ちゃんは似ているのかもしれないね。でも俺には、健という強い味方がいたから。自然にみんなの輪に入れたよ。麻帆ちゃんも悠ちゃんにとって、そんな間柄じゃないの?」

智樹先輩はいつものようにふわりと笑った。

この感じが、私に安心を与えるのかな。

「そうですよね。あんまり考えるのは辞めよう。」

「そうだね、それがいいよ。さっ、行こうか?」

智樹先輩と連れ立って部室を出ようとしたら、

「お前ら同じ方向だった?」

健先輩が声をかけてきた。

「そうだけど、今日はバイトの話をするから寄り道していくよ。お先に!」

智樹先輩は手を振った。

「また明日ね。」

「じゃあね。」

私と麻帆も挨拶をかわし、別れた。











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