私の横に居る人
「いいえ、私男の人とこんなに近くであんまり話した事がなくて。
 びっくりしただけです。それで今晩はどうしますか?」 

「お邪魔しますって返信しておいてくれる?おいしい夕食を逃す手はないだろ。」

「お母さんに胃袋捕まれちゃったみたいですね。」

私達は声をあげて笑った。

結局カフェは寄らずに、家に直行する事にした。

電車に揺られながらおしゃべり。

「悠ちゃん、本当に人付き合いが苦手なの?あんまりそう感じないんだけど。」

「智樹先輩と話してると、自然に話題が出てきて…。急かされる感じもないし、変な返事をしちゃいけないとか思わなくて楽で。かなり気を使ってもらってるんじゃないですか?」

「話すペースが似てるのかな?俺ら他の人達より緩いペースだよね。だから健や寛人と居ると、ペースに乗り切れなくて聞き役が多いかな。でもそれはそれで俺は居心地がいいんだけどね。反対に悠ちゃんとは、対等に話せるって感じ。ちゃんと俺が口を挟める間があるというか…。」

「そう、そんな感じです!」

言いたい事が伝わって嬉しい。

そんな私の様子に目を丸くする智樹先輩。
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