【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
 まただ。

彼の一言ずつにリュウセイが声を荒げる。


 なにかに焦っているのすら呆れたようにベティはいい放つ。


「そんなんだから、未だに報告書もかけていないんだろう?」

 チラリとむけてきた彼の視線とぶつかった。


「ちがうよ、ヒメリのせいじゃない!」

 必死なリュウセイの口から、突然出てきた自分の名前にあたしがドキリとしてしまう。

 …―あたしが、何?

そう聞こうとしたときだ。



「……それとも、リゲルのせいか?」


 呟いたベティに、リュウセイの大きな瞳がさらに見開いた。


「ちっ、ちが……!」


 ムキになる様子からして、あたしでもわかるくらい図星。

リュウセイに嘘は似合わないよ。


 いつも元気をもらうほど笑うリュウセイが、困惑に負けている。

だからなのか、むずがゆくなるくらい複雑な空気だ。



「……ま、どちらにしろ、早くかけよ」


 あたしたちには不似合いな雰囲気を無理やり終わらせるように、ベティは布団をかぶってしまった。


あたしも俯いたリュウセイに問いただせるわけもなくて。


「…お腹ださないで寝るのよ?」

ろくに顔もあわせてくれず、あたしは部屋を出た。


 当然、その夜眠れるわけがなかった。

薄暗い部屋にカーテンの隙間から差し込む月明かりを、ただぼんやりと見つめてた。

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