GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



「今日って差し入れあったりするー?」


その質問に、鞄に秘めているイチゴタルトを思い出して何度も頷く。料理部の特権で、日中は家庭科室の冷蔵庫にイチゴタルトを忍ばせることが出来たし、大丈夫……なはず。


「ありがとう、奈央。じゃ、練習行ってくる!」


「うんっ、行ってらっしゃ……え?」


待って、今何て言った?


今、志摩何て言った?


──────ありがとう、奈央。


な、な、な、奈央って言った!?


やばい。キュンどころじゃない。


幸せ過ぎてぶっ倒れそう。


「……ずるいよ」


もう、志摩……ずるいよ。そういうのずるい。


きっと、これからも志摩にドキドキキュンキュンして、志摩のことが日に日に好きになっちゃうんだろうな。


たまには喧嘩もするのかな?喧嘩しても気がついたら仲直りして笑ってるのかな?


不安も楽しみも、泣くのも怒っちゃうのも笑うのも志摩と一緒がいい。


志摩を振り向かせたい気持ちは120%だったあたし。


諦めないでよかった。


好きだと伝え続けてよかった。


「あたしもあとで仕返ししよーっと」


志摩、これからあたしの可愛いイタズラたちを覚悟しててね?


あたしなりの【好き】に気づいてね?


< 260 / 270 >

この作品をシェア

pagetop