GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~


「あのね、志摩……」


「早速持って行ってくるな!」


そう言って、野球部の元へ走って行った志摩。


あたし、放心状態。


「くくっ、准の奴自分にって気づいてねぇじゃん」


その場に残ったままの快二がお腹を抱えながら聞く。


「んなの……バカ志摩!」


志摩のアホ!バカ!


なんでそう捉えちゃったかな!?


グラウンドにあるベンチで、野球部が集まっている。その中で嬉しそうにクッキーを食べる志摩の姿が目に入る。


「うー、バカ志摩ぁ……」


志摩、気づいてよ。


あたしの気持ちに、気づいてよ。


「残念だったな」


そう言った快二からのデコピン。


「うっさい。でも、嬉しそうに食べてくれてるし……いいっか」


「あとで腹壊したらお前のせいだかんな」


「そんなことないからっ。ちゃんとお母さんと作って……」


「はいはい。俺も食ってこよー」


じゃあな、とその場を去った快二。と、そこへ数名の女子が快二の元へ。何かを渡している様子。


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