GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



「以上だ。今日もお疲れさん。解散!」





シューッ


停車した電車に乗る俺と准。ユニフォームから制服に着替えた俺達の姿が窓に映る。


「今日も疲れたなー」


右手で吊革につかまって、准に話す。


「だな。今日はぐっすり寝ろよ」


「お前もな。どうせ、みんなの反省点まとめたりするつもりなんだろ?」


「今日のうちにしてた方が忘れねーもん」


ったく、少しは休めよ。


「だって、これが俺の役目だし、やらなきゃみんなにも申し訳ないじゃん?」


そう言って、左手で吊革に掴まる准が笑った。


准は中学の時はもともと、選手として野球をしていた。俺の誘いで入部して一緒に頑張っていたんだ。


でも、選手としてなかなか成績を出せなかった准。そんな准が中2の始め、ヘマをして右腕を骨折し、安静にするようにとドクターストップがかかった。


2ヶ月くらい部活が出来ないことになった准は、左手で出来ることでもって、ボール拾いや片付けを積極的にした。


< 46 / 270 >

この作品をシェア

pagetop