GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「以上だ。今日もお疲れさん。解散!」
シューッ
停車した電車に乗る俺と准。ユニフォームから制服に着替えた俺達の姿が窓に映る。
「今日も疲れたなー」
右手で吊革につかまって、准に話す。
「だな。今日はぐっすり寝ろよ」
「お前もな。どうせ、みんなの反省点まとめたりするつもりなんだろ?」
「今日のうちにしてた方が忘れねーもん」
ったく、少しは休めよ。
「だって、これが俺の役目だし、やらなきゃみんなにも申し訳ないじゃん?」
そう言って、左手で吊革に掴まる准が笑った。
准は中学の時はもともと、選手として野球をしていた。俺の誘いで入部して一緒に頑張っていたんだ。
でも、選手としてなかなか成績を出せなかった准。そんな准が中2の始め、ヘマをして右腕を骨折し、安静にするようにとドクターストップがかかった。
2ヶ月くらい部活が出来ないことになった准は、左手で出来ることでもって、ボール拾いや片付けを積極的にした。