GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「おう、城薗!」
辺りがオレンジ色に染まり始めた夕方。グラウンド近くの石段に座っていたあたし。そんなあたしに気づいたのか、快二が声をかけてきた。
「あれ、志摩は?」
「あー、アイツ今監督んとこ。もうちょっと時間かかるって」
「そうなんだ。あ、はいコレ」
そして、快二へラッピングされたシフォンケーキを手渡す。
「毒味したか?」
「そんな言うなら」
「はいはい、ありがたくいただきまーす。あ、腹下してトイレ行きたくなるかもしんねーから、家で食うわ」
「どーぞ、ご自由に!」
ふんっと快二から顔を背けるあたし。
「准待つんだろ?それまで相手してやるよ」
「いーい。1人で」
「つべこべ言うなって」
そう言って、快二があたしの隣に腰を下ろした。快二のやつ、いつもみたいに言い合いするし、朝よりも口数多くなってんじゃん。
「……なんだ、元気そうじゃん」
そんな快二を見てポツリと出た言葉。