軍平記〜その男、村政〜
港に海賊船が大挙として出現する。
海賊達は船から降り、港に襲撃を掛けてきた。
だが、港には人一人いない。
正確には、ただ、男が一人港に立っているだけだ。
海賊は数百人。
港を占拠するには充分な数だ。
男目掛け、海賊達は斬りかかる。
ドゴーン!!
海賊たちが吹き飛ぶ。
何が起きたか解らない。
次の海賊達が襲い掛かる。
ドゴーン!!
又しても海賊達が吹き飛ぶ。
海賊の頭が慌てる。
瞬く間に百人近くがやられた。
男は笑う。
海賊の刀を奪い、一気に斬りかかる。
余りの速さの中、次々と海賊たちが斬り倒されていく。
手も出せない海賊達。
弓も鉄砲もかわし、次々と斬り倒す。
海賊船が沈む。
いつの間にか、海賊の頭の眼前に立つ男。
「いいか、海賊。酒田を襲うとは大変な失敗を犯したものだ。」
「今引き上げるなら命は助けてやる。そして二度と此処へ来ないと約束しろ。」
海賊の頭は震えた。
すぐに引き上げる事を約束し、生き残った海賊は逃げ出すように去っていった。
歓声を上げ、酒田の人々が男に群がる。
男は笑いながら、港を去っていく。
「晩飯にこのキンキを貰って行っても宜しいか?」
男は港の代表に聞く。
「どうぞ、どうぞ!港を守って頂き、ありがとう御座いました!」
酒田の漁師達は口々に礼を言う。
男は魚を貰い、港を後にする。
酒田港の漁師達は海賊が居なくなったのを見計らい、また作業に戻る。
すぐに活気と熱気が酒田港に戻る。
男は魚をニヤニヤしながら眺めて、去っていく。
次作・軍平記〜女剣客、一文字〜
帝都炎上編へ。
後記・
初めまして。
作者の海田太閤です。
作品を最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も軍平記を宜しくお願い致します。