蟲狩り少女
「どうしたの? お母さん」


「里音、今年は海に行ってみない?」


「海!?」


想像もしていなかったお母さんの言葉にあたしの声は裏返ってしまう。


それくらい驚いたんだから、仕方がない。


「お母さんね、今年はお仕事連休をもらったのよ」


「なんで!?」


「なんでって……たまには里音と一緒に夏休みしてみようかなって、思ってね」


そう言い、ほほ笑む。


あたしの事を気にかけてくれたんだ……。


あたしは本があれば時間が潰せるし、本を読んでいれば寂しいとは感じない。


だけど、そこにお母さんがいれば、もっと嬉しい!


「ありがとう、お母さん!」
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