蟲狩り少女
水面が揺れているせいなのか、あたしは足元からグラリとメマイのようなものに襲われた。


「それで確信した。蟲狩り師は今世界に2人いるんだって。俺と里音は血のつながりがあるんだって」


「……そ……んな……」


声が震える。


光磨の一挙一動にドキドキしていた自分がとても滑稽に思えてくる。


と、同時に、兄妹だと知りながら黙っていた光磨へ怒りが湧いてくる。


「なんで言わなかったの……」


「事情が事情なだけに、言っていいものかどうか悩んでたんだ」


「でも……!」


もっと前に知っていれば、あたしは光磨にドキドキすることなんてなかった。
< 148 / 289 >

この作品をシェア

pagetop