蟲狩り少女
だけどここで席に座るのもおかしいと思い、あたしは立ったまま三岳友輝に視線を向けた。


「芽野はどの種目に出たい?」


「え……えっと……」


そうだ。


あたしは自分がどの種目に出るか何も考えていなかった。


みんなが色々と意見を出したりしている間、光磨の空席ばかり気にしていた。


必死に黒板に書かれている種目を読み、運動音痴のあたしでも出場できそうな種目を探す。


「じゃ……じゃぁ……二人三脚……」


しどろもどろになりながらそう言う。


足を縛られた状態でゴールを目指す。


リレーよりもスピードの遅い種目だから、きっと大丈夫だと思う。
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