蟲狩り少女
色々を憶測はできるものの今は教室内だ。


何もできない。


あたしは黒板の上に設置されている時計を見た。


一時間目が終わるまであと15分ある。


短針がカチカチと小さな音を立てながらゆっくりと進んで行くのを、イジイジした気持ちで見つめる。


話合いの中お菓子を食べる朝口容子だが、クラスメイトたちは何も言わない。


ほとんど蟲に侵されてしまっているから、朝口容子の様子がおかしいという事に気が付かないのだ。


早く終われ。


早く。


早く。
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