蟲狩り少女
「近くにおいしいクレープ屋さんができたから一緒に行きたいと思っていたんだけれど、今日はやめておこうか」


あたしの体調を気遣ってか、リカちゃんが残念そうに言った。


「え? あたし行きたい!」


「でも……」


「体調が悪いワケじゃないし、甘いもの食べたい!」


そう言い、リカちゃん手を握った。


友達との楽しい時間は今のあたしにとって必要だった。


「本当? じゃぁ、よっていこっか」


こうしてあたしたちはクレープ屋さんに寄り道をして帰ることになったのだった。
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