イジワルな君に恋しました。
「先輩、ありがとうございます!
すごく助かりました」
先輩に向き直り、お礼を言う。
ほんと、先輩がいなかったらどうなってたことか。
ただただあの苦痛に耐えていたのか、泣きだしてしまっていたのか。
少なくとも、こんな清々しい気持ちにはなれなかった。
こらしめるって言ったから、暴力とかかと不安になってたけど、ちゃんと正当なやり方だった。
もうこれで、あのヒドイ振られ方したのもどうでもよくなった。
「どういたしまして。
陽菜ちゃんの役に立てて嬉しいよ」
あ、ちゃん付けに戻ってる。
ちょっと残念かも……。