イジワルな君に恋しました。
「奥村先輩!」
「危ないでしょ?
何かあったら困るし」
「でも本当に悪いんで」
わざわざ遠回りさせるなんて、申し訳なさすぎる。
先輩が家に帰るのが遅くなっちゃう。
「拒否するんならもう会ってあげないよ?」
「え……」
しつこい私にしびれを切らしたのか、突然立ち止まり私に振り返る。
街頭に照らされた先輩の顔は、有無を言わせてくれない表情だった。
送られないともう会ってくれないの?
それは……嫌だ。