深夜26時はキミと一緒に、
***


「はい、じゃー皆で~?!」

「「「カンパーイ!!」」」

一点に集められたビールジョッキが、照明の光を黄金色に反射して眩しい。そしてテーブルの上には、どれも美味しそうな大皿が複数並ぶ。

ひとまず、ビールっと…。

ゴクッ…ゴク…ッ、プハァッ!!!

「くぅ~、仕事上がりのビールウマァッ!!! 」

キンキンに冷えたビールが爽快な喉越しで喉を通過していく。
くっそ、この時ばかりは生きててよかったと心の底から思う。

よく見ると、もうジョッキの半分を飲んでしまった。

「いやー、よく飲むなぁ早乙女。若いっていいなぁ!」

「何言ってんスかぁ、小田先生だってまだ若いですって。」

アルコールが入って気分がよくなると、嫌いな小田先生との会話も苦痛でなくなる、恐るべしアルコール。

一方飲むペースが速い俺とは対照的に、隣の早苗先生はビールを舐める位で全然飲んでなかった。
この時の俺は避けられてることも忘れて、自然に話しかけた。

「あれ?早苗先生、飲まないんです?」

「…!・・お酒、弱いのであまり飲みません。」

早苗先生は一瞬、俺に驚いたような視線を向けた。

その視線と俺の目があった瞬間、少しドキッとした。

それはきっと、しばらく目を合わせてくれなかったから。
だから、もう少し長く視線が絡み合えばよかったのにと思った。
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