深夜26時はキミと一緒に、
「ここ…、かな?」

目的の312号室に着くと、カードの認証機にカードキーを当てた。

ピピッ、

電子音と共に鍵の開く音がマンションの静かな廊下に響いた。

背中の早苗先生はというと、相変わらず起きる様子がない。

「…どんな夢見てんだか。」

起きないことには仕方が無い、俺は覚悟を決めて扉を開けた。
おじゃまします、と小声で言うが勿論返事は来なかった。

…まぁ、むしろ返ってきたら怖いんだけど。

玄関のところで、一旦早苗先生を降ろし、とりあえず壁にもたれさせる。
一気に軽くなった背中にふぅと溜息が零れた。
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