君のために歌う歌
陽翔は、宙子が一番のハズレだと思っていた鼻眼鏡を引いた。




陽翔はプーっと吹き出して笑い、嬉しそうだった。

 

周りの男子も爆笑だった。

(宙子は少しその笑いにはざまぁみろと言った気持ちを感じた。男子にも妬みはあるようだ。)



女子は明らかに残念そうであった。




宙子が当たったのは、一番確率の高かったメイド服だった。



宙子は、グッと歯を食いしばった。



(これは嫌だな……。)




自分は可愛い物など着たくなかった。


しかも普段目立たない私がメイド服なんて。



宙子は、自分が好奇の目で見られるのを想像してため息をついた。





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