君のために歌う歌
エピローグ
開演前の、期待に満ちた空気の中、宙子は関係者席にいた。


ここは、日本武道館。



あれから、6年の歳月が流れた。






宙子は、音楽ライターの卵になっていた。




今日は『go asleep』のツアーファイナルだ。





証明が暗くなり、ステージにOP映像が流れた。


歓声と割れんばかりの拍手と共に、メンバーが現われた。




ベースは、高橋章だ。




そして、ほかのメンバーより後から、

さらに大きな歓声と拍手に包まれて現われたボーカルその人は





影葉陽翔、間違いなく彼である。







前方で写真を撮っている女性カメラマンは田中郷愛。





宙子は、持っているメモにペンを走らせた。




『歴史に名を残すだろう、偉大なバンドの武道館公演が今始まった。』









おわり。
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