夜ー闇に隠された瞳の奥ー





駐輪場につき、直気がバイクの準備をし始める。




その時だった。





ガッシャン!!





近くの道路から大きな音がした。




「なんだ?事故か?」


「さぁ」




私と直気は道路を除く。





「事故だね」


「みたいですね」




「信号無視ってとこか」




私はそう言って顔を引っ込める。





「…信号、無視。赤信号」






直気はそう言いながら動こうとしない。



なんだ?




「大丈夫か?」






私は直気の肩に手を置く。





……震えてる。







「直気」

だめだ。



「直気」



私は少し大きな声で直気を呼ぶ。


気づかねぇ。




「直気」



もっと大きな声で呼ぶ。





「…!みずな。すいません、ぼーっとしてました」






気がついたか。



「大丈夫か」


「…えぇ、まぁ。」



「嘘つけ。顔真っ青だぞ」



顔色悪過ぎだろ。



「あぁ。…ちょっと、はい」



口も回ってねぇし。





「……………赤を見ると、思い出すんです。」


直気はなにか決心したように話し始めた。






こいつも、抱えてんのか。



















< 366 / 587 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop