私の仕事と結婚
「俺、てっきり美奈にプロポーズを断られたのかと勘違いしてました。美奈は俺より1つ年上だし、早く結婚したいんじゃないのかと思い込んでいたんです。…まさか俺の為に今結婚の時期じゃないなんて思ってくれていたなんて。」

赤信号で止まった時に、松島君は優しい笑顔で後部座席を見た。

「美奈は本当に自分の気持ちを話していなかったんだね。私、しゃべり過ぎちゃったかもしれないわ。きっと美奈に怒られちゃうわね。」

クスッと笑いながら私も美奈を見つめた。

「俺達、もっと腹を割って話し合いをしてみますね。 今日はありがとうございます。桜井さん。」

「美奈を大事にしてあげてね。」

それを聞くと松島君はニッコリ笑って、家の前で車から降ろした私に頭を下げて帰って行った。









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