小さな恋物語


僕がもし実紅だったら、こんな男とは付き合わないだろうな。仕事に熱中して彼女を放って、連絡もまともにしなくて。今だって家事を全部してもらってるし、僕は髪もボサボサで、ただ寝転がっているだけ。


「でも私はこういう良平が好きだから。頑張ってるから私も頑張ろうって思えるし、いつも一緒にいたらそれはそれで飽きそうじゃない?ちょうどいい距離感なんじゃないかな。忙しくないときは結構会ってるじゃん。飲みに行ったり出かけたり、家に泊まったり」

「…今日、泊まる?」

「うーん、明日から仕事だしなぁ」


それもそうか。久しぶりに会えたから、一緒に眠りたかったんだけど。


「良平がどうしてもって言うなら考えてもいいよ」


実紅はちょっと上から目線で、しょうがないな~と言っている。


「泊まって。一緒にいたいから」


今夜はぎゅっと抱きしめて眠ろう。大好きだって伝えたいから。


End


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