溺愛オフィス


昼休憩の後、私は会社に戻ってプレスルームで衣装の貸し出し対応をしていた時だった。

早乙女チーフがプレスルームに入ってきて、私の傍にそっと寄ると耳打ちする。


「桜庭さんが、会議室に来るようにって」

「今ですか?」

「そう。KAORIのことみたいよ」


KAORIさんの名前を出され、私は何か進展があったのだと悟る。


「あとは私が引き受けるから、行って来なさい」


早乙女さんに促され、私はありがとうございますと頭を下げた。

続けて、応対していたスタイリストさんに席を外すことと担当は早乙女が引き継ぐことを伝え、プレスルームを出た。

そして、そのまま会議室に向かい、入室すると。


「悪いな、急に」


開口一番、椅子に座っていた桜庭さんが謝罪する。

桜庭さんの向かいの席には、壮介君も座っていた。


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