LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
兄貴と、チラッと目配せした。兄貴がオレに無言でうなずいた。
オレは女のほうへ駆け出す。
緋炎のほうからも男が三人、陣を外れて、その女に向かっていく。
「危ねぇだろうが! 下がってろ!」
オレは女を背中にかばって、緋炎の連中を、まとめて蹴り飛ばした。
オレの背中に、手が触れようとした。
迫る気配にとっさに反応して、払いのけた。軽すぎるような手応え。
「痛っ」
女の声。しまった、と気付く。
小柄な女がまっすぐにオレをにらんだ。
「いきなり暴力的なことをするなんて。あなた、ちょっと失礼ですよ!」
「今のは、すまん。ただ、オレに触ろうとするな。苦手なんだ」
にらんだ目が、くるっと表情を変えた。驚いた、みたいな。