ハートブレイカー
やだ。
声震えちゃった。
泣くな、私。
ここで弱気になるな! 毅然として!

「アホ」
「・・・は」

涙が落ちないようギュッと両目をつぶっていたのに、つい目を開けてしまった。
しかも、うつむいてる私の頭を・・・なでて。

さっきみたいに。

つい無防備な顔で、彼を見てしまった。
我に返るよう、唇をギュッと噛む。
彼の温かくて大きな手に安心したけど、涙、流れ落ちなくて・・・ よかった。

「人は誰でもいつか死ぬ。だがおまえはまだ死なない。まだその時期じゃない」
「・・・何を根拠にそう言いきれるの?」
「根拠?そんなもんあるか」

悪いけど、思わずふき出してしまいました。

「だがそうだな、強いて言えば・・・自信だ」
「だ、だから、そ・・・んな・・・」

もう・・・笑い止まらないんだけど!

「俺がそう言うんだ。信じろ、マナ猫」
「ちょ・・・また、マナ猫って!」

「俺を信じろ」

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