ハートブレイカー
ジンジンと火照る私の唇をなだめるように、彼の舌がペロペロと舐める。
微かに聞こえてくる舌の音を否定するように、イヤイヤと顔をふってみる。
でも彼に頭を持たれているので、顔は動かせず、ふることは出来なかった。

思わず体が震える。
おなかの奥が疼く。
官能のドアがこじ開けられる!
つい口を開けてしまったら、チャンスとばかりに彼の舌が入ってきた。

「ん・・・」

ちょっとここ、公共の道端で!
しかも私の後ろには息子が・・・私たちの息子がいて!

あ!舌が・・・彼の舌が熱い。
引っ込めても追いかけてくる。
顔は動かせないし。

もう何よ、この・・所有欲丸出しのキスは!
私はあなたのものじゃない!
応えたくないのに、体が震えて疼きがどんどん大きくなっていく。

キスだけで・・・そんな・・・。
だ・・ダメだ。 押してびくともしないなら・・・。

自由になってる両手を彼の肩に乗せ、爪を立てたとき、不意に彼が舌と唇を離した。
よろめく私を、彼はしっかり支えている、というか、密着させてるままだけど。

< 125 / 223 >

この作品をシェア

pagetop